花粉症対策について
2020/12/17
「マスク装着、ティッシュ補充、目薬完了・・・いざ出発!」
花粉症の季節になると、皆さんは外出前にこんな儀式を繰り返しているのではないでしょうか。今や日本人の10人に1人が毎年この病気に悩まされています。
しかし早めに適切な治療を行い、対策を怠らないことで、症状をやわらげることができます。まずは病気をよく理解し、積極的に対処することが大切。このページにはそのためのヒントが満載されています。
花粉症のメカニズム
私たちの体は異物(抗原)が進入すると、これと反応する物質(lgE抗体)を作る仕組みがあります。
花粉から溶け出した抗原が、鼻の粘膜にある肥満細胞の表面に付着しているlgE抗体と結合すると、肥満細胞から化学物質が分泌され、これがくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、異物感、などの症状を引き起こすのです。
花粉症には様々な抗原があります
日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。代表的なのはスギ・ヒノキなどの木本植物(樹木)、カモガヤなどのイネ科植物、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどの雑草本です。
花粉飛散カレンダー
花粉症の発症時期に、どの植物の花粉が飛んでいるのかをチェックしましょう。(地域によって多少差が生じますので、テレビや新聞等の花粉情報にも注意してください。)
花粉の飛散量と症状の関係
あなたの花粉症の症状をチェックしましょう
症状のタイプや重症度によって、適切な治療法を選択することが重要です。まず自分の症状を理解し、ドクターと相談しながら治療を受けましょう。
病型・重症度チェックシート
あなたの花粉症の症状をチェックしてみましょう。
※くしゃみ発作の回数:連続した“くしゃみ”は1回と数えます。
※鼻をかむ回数:連続した“鼻をかんだ回数”は1回と数えます。
※鼻づまりの状態:手で口をふさいでみて鼻呼吸だけにした場合に、どのくらい支障が生じるのかの程度
適切な治療法を選択するためにも、自分の病型と重症度をきちんと理解しましょう。どちらの病型でも、例年、重症度が中等症以上になる方は、初期療法が効果的です。
花粉の飛散シーズンを楽にのりきるために
花粉症の治療法は「薬物治療」「減感作療法」「手術療法」に3分類されます。
症状を軽くするには、自分に合った治療法を選択し、さらに日常生活の中で「セルフケア」を実践することが大切です。
このページでは、「薬物療法」を解説します。
薬物療法
花粉症治療の中心となるのは薬物療法で、使用する時期や症状に応じて「初期療法」「導入療法」「維持療法」が行われます。
初期療法
飛散時期に応じた早めの対処が症状をやわらげます。
花粉が飛び始める2週間くらい前から抗アレルギー薬を服用する治療法です。症状が悪化する前から薬を飲み続けることで、シーズン中の症状を軽減できます。
特に重症度が中等症以上の方(上記重症度チェックシートをご覧ください)に効果的です。
導入療法
強い症状をまずはやわらげましょう。
症状が強くなってからはじめる治療です。
強い症状をやわらげるために、第二世代抗ヒスタミン薬だけでなく、経口ステロイド薬の一時的(1週間以内)な服用や、局所ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。
維持療法
症状が軽くなってからも薬の服用を続けましょう。
初期療法や導入療法で症状が抑えられた状態を保つ治療です。
抗アレルギー薬や、症状が重い場合には局所ステロイド薬(点鼻薬)を使います。花粉の飛散中は治療の継続をおすすめします。
初期療法のメリット
- 発症を遅らせることができます。
- 飛散量の多い時期の症状を軽くできます。
- 併用する薬の量や回数を少なくできます。
早めの対策が重要です!!
効果的な薬の服用を
初期療法には主に第二世代抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬が用いられます。症状が重い場合には点鼻薬等が併用されます。
効果の高い第二世代抗ヒスタミン薬を用いれば、併用薬の量、期間を少なくする効果が期待できます。
日常生活の注意点(セルフケア)
花粉の飛散シーズンには、花粉との接触を少なくするような、きめ細かい生活上の工夫が必要です。テレビやインターネットで花粉情報を入手し、効果的なセルフケアを行いましょう。
室内でのポイント
室外でのポイント
協和発酵【花粉症対策ブック】より